2008 Fiscal Year Annual Research Report
亜臨界水処理によるカニ殻からの新規高純度キチン連続生産法の開発
Project/Area Number |
18360437
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉田 弘之 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (50081360)
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Keywords | 廃棄物処理再資源化 / 有価物回収 / ゼロエミッション |
Research Abstract |
カニ殻などのキチンを含む有機性廃棄物が大量に排出されており、その処理方法が課題となっている。本研究では亜臨界水処理によるカニ殻からのキチン連続生産法の開発を目的として、バッチ反応器によるキチンおよび各種有用物質の生産における最適条件の探索、生産した各種有用物質の連続分離法の確立、連続亜臨界水処理パイロットプラントによるキチン及び多糖類の連続生産法について検討を行った。本年度は以下の3点を明らかにした。 1.キチンを水のみの亜臨界水および水酸化ナトリウムを含む亜臨界水で処理し、低分子化することで、グルコサミン、セルビオース、エリトロースなどの低分子糖および分子量数万の低分子キトサンを生産できることがわかった。グルコサミンを生産するための最適条件の検討を行ったが、明確な定量にまでは至らなかった。 2.昨年開発したベルト状のイオン交換不織布を用いたベルト式連続分離装置を用いてリン酸+有機酸の二成分系水溶液の半回分連続分離実験を行ったところ、イオン交換不織布へのリン酸及び有機酸の吸着選択性の違いから、リン酸と有機酸の完全分離及びリン酸の濃縮回収に成功した。 3.市販のカニ殻をパイロットスケールの連続亜臨界水処理プラント(平成15年度に21COEプログラムにて完成)を用いて脱たんぱく処理し、その後、塩酸で脱炭酸カルシウム処理を行う2段階法によって、キチンの連続生産を試みた。回分式実験で得られた最適温度、処理時間ではサンプルに含まれる不純物や着色の影響により、試薬レベルのキチンを得ることは難しかった.
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Research Products
(7 results)