2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360439
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日野 友明 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (30109491)
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Keywords | 核融合炉 / ブランケット / 増殖材温度 / リチウム・タイタネート / 重水素保持脱離 / トリチウム回収 |
Research Abstract |
核融合炉の最重要コンポーネントはトリチウム増殖ブランケットである。ブランケットとして有望視されているのは水あるいはヘリウム冷却の固体増殖ブランケットである。フェライト鋼を構造材料とし、リチウム・タイタネート(Li_2TiO_3)あるいはリチウム・シリサイドをトリチウム増殖材としている。この増殖材で生成したトリチウム(T)がブランケット運転温度条件下で、どのように保持され脱離するのか未だ解明されていない。平成19年度では、重水素イオンをリチウム・タイタネートで照射した。照射温度は室温である。その後、真空下で加熱して保持されている重水素(D)がどのような温度条件で脱離するかを把握するとともに重水素保持量も測定した。また、重水素がリチウム・タイタネートでどのように捕捉されるかを調べるため、同じ実験をチタン(Ti)とリチウム(Li)についても実施した。リチウム・タイタネートでDは主にLi-OとLi-ODの形でLiに捕捉されること、重水素保持量の飽和値は5x10^<16>D/cm^2であることからLi中のDの最大濃度は原子比D/Liで0.5となること、Dの中心脱離温度は約600Kであることが分った。現在のブランケット設計では冷却管近傍で増殖材温度が700K以下の領域が1/10程度ある。ITERのテストブランケットモジュールを対象として運転中に回収されないT量を試算すると数10gになることが分った。この結果から運転下のトリチウム量を求めることができ、また冷却管近傍の増殖材温度を高める必要がある。平成20年度においては、トリチウム残留量について精度を高めるため、リチウム・タイタネートの照射温度を高めた重水素照射を行う。固体増殖材のトリチウム保持量の把握に加えて、構造材であるフェライト鋼のトリチウム保持脱離挙動についても重水素照射実験を行い、ブランケット全体のトリチウム残留量も評価する予定である。
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Research Products
(3 results)