2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360440
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋爪 秀利 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (80198663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
結城 和久 東北大学, 大学院工学研究科, 講師 (90302182)
伊藤 悟 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (60422078)
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Keywords | 分割型高温超伝導マグネット / 高温超伝導ケーブル / バットジョイント / 金属多孔質体 |
Research Abstract |
製作コストの劇的な低減と容易な保守が可能となる超伝導マグネットの分割化は将来の核融合炉において不可欠な技術である。本研究は高温超伝導体を用いた分割型マグネットの概念の実証を目指し、(1)構造解析や超伝導/常電導界面での現象解析により接合構造最適化をはかると同時に、作動温度と接合性能についての関係を明らかにする、(2)接合部分での発生する熱を効率良く除去するためのシステムの開発を行う、(3)クライオスタットを含めた分割型超伝導マグネットを製作することを目的としている。 初年度にあたる今年度では、まず、接合構造の最適化をはかるために、接合された高温超伝導ケーブルに生じる応力分布を構造解析によって評価した。構造解析により、接合時にケーブルに座屈が生じる危険性が示され、実際にその影響が実験的にも確認できたため、ケーブルの高強度化が必要であることがわかった。 また、伝導冷却冷凍機を用いて作動温度を変化させながら接合試験を行った結果、温度の低下にともなう接合抵抗の減少を確認することができた。これは温度低下にともなうケーブルの臨界電流密度の上昇に起因するものであると考えられる。しかしながら、実験回数が不足しており、追実験による再現性の確認が必要である。 さらに金属多孔質体を用いた接合部の高効率除熱システムの確立のために、金属多孔質体を組み込んだ液体窒素ループを製作し、その動作確認を行った。現状では、液体窒素が気液二相流の状態にあり、断熱処理などの装置改善が必要である。 次年度は高温超伝導ケーブルの高強度化を図り、その効果を実験的に確かめること、温度低下にともなう接合性能の向上の再現性を確認すること、液体窒素ループを改良し、除熱性能を評価すること等が課題となる。
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