2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360456
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山名 元 Kyoto University, 原子炉実験所, 教授 (30283683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 理 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40355011)
藤井 俊行 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (10314296)
上原 章寛 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (30402952)
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Keywords | プルトニウム / ネプツニウム / 溶融塩 / 吸光分光 / 電気化学 |
Research Abstract |
次世代の使用済核燃料物質の再処理技術として注目されている溶融塩を用いる乾式再処理技術の研究が行なわれている。本研究では溶融塩中におけるネプツニウム及びプルトニウムなどのアクチニドイオンの錯体環境及び酸化還元電位を分光化学的及び電気化学的手法を用いて明らかにしてきた。昨年に引き続き京都大学原子炉実験所ホットラボラトリジュニアケーブ室に設置されているグローブボックスを用いて、今年度はNp(IV)を調製し、溶融塩中における錯体環境について調査した。昨年度入手し乾固したNp試料をグローブボックス内、650度の電気炉内においてCsCl溶融塩とともに溶解した。なお、Npは酸化物として存在するため、塩素ガスを通気することによってNp(V)として溶解した。Puの場合、Pu(VI)が溶存している溶融塩に塩素ガスを通気することによってPu(IV)が生成するが、Npの場合、溶存種であるNp(V)は、塩素ガスのみによって還元されず、炭素を用いることによってNp(IV)が調製されることが分かった。得られたNp(IV)を含む溶融塩を本研究室で独自に開発された分光セルつきの石英セル中に投入し、吸光分光測定を用いた。用いた装置は光源及び光ファイバーを組み合わせた吸光分光分析装置である。得られたNp(IV)吸収スペクトルは、既報のLiCl-KCl溶融塩中の吸収スペクトルと異なり、本研究で用いたCsCl溶融塩のほうがLiCl-KCl溶融塩に比べてNp錯体の安定性(対称性)が高いことを示唆する結果を得た。本年度得られた結果は国際学会及び国内学会において計4回発表され、現在、投稿論文として上述の成果を取り纏め中である。
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Research Products
(4 results)