2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18360456
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山名 元 Kyoto University, 原子炉実験所, 教授 (30283683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 俊行 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (10314296)
上原 章寛 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (30402952)
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Keywords | プルトニウム / ネプツニウム / 溶融塩 / 吸光分光 / 電気化学 / 酸化還元 / 乾式再処理 / イオン液体 |
Research Abstract |
本研究グループは溶融塩乾式再処理の高度化を実現するために、溶融中におけるネプツニウム及びプルトニウムなどのアクチニドイオンの錯体環境及び酸化還元電位を分光化学的及び電気化学的手法を用いて明らかにしてきた。昨年に引き続き京都大学原子炉実験所ホットラボラトリジュニアケーブ室に設置されているグローブボックスを用いて実験を行なった。昨年度は主に塩素ガス、酸素ガス及び電気化学的手法を用いて各種原子価のNp (III)、(IV)、(V)を調製し、紫外可視近赤外吸光分光測定することに成功した。今年度は、昨年度得られた知見を基に電気化学的なデータを取得した。予測されるNpの酸化還元反応は、Np (VI)/Np (V)、Np (V)/Np (IV)、Np (IV)/Np (III)、Np (III)/Np (O)である。これらの酸化還元反応を調べるための電気化学測定法としてサイクリックボルタンメトリーを用いた。同法を用いればNpの酸化還元電位を決定できるのみならず、電極とイオンの反応における可逆性、速度定数、拡散定数を決定することができる。なお、これらの物理化学定数は、再処理において電解セルの形状設計、あるいは電解条件の設計に役立つ基礎データとなる。本実験ではサイクリックボルタンメトリーのほか、クロノポテンシオメトリー、クロノアンペロメトリー、ディファレンシャルパルスボルタンメトリーなどの電気化学測定法を用いて、Npイオンの酸化還元特性について明らかにした。本実験で用いた塩化物溶融塩(NaCl-2CsCl)中ではU (V)に比べてNp (V)が極めて安定に溶存することが分かった。また、Np (IV)/Np (III)の酸化還元反応は可逆であることを確認した。
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Research Products
(1 results)