2008 Fiscal Year Annual Research Report
特殊ラジエータを用いた高エネルギー対応型個人中性子線量計測システムの開発
Project/Area Number |
18360457
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小田 啓二 Kobe University, 海事科学研究科, 教授 (40169305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 知也 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (40211619)
神野 郁夫 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50234167)
安田 仲宏 神戸大学, 独立法人放射線医学総合研究科, 研究員 (30392244)
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Keywords | 個人中性子線量計 / 飛跡検出器 / ピット径分布 / 二層構造ラジエータ / 全空乏層型シリコン検出器 / パルス波高分布 / 波高弁別 |
Research Abstract |
今年度稼働し始めた大強度陽子加速器周辺や航空機航行高度においては、数10MeV以上の高エネルギー中性子の線量への寄与が大きいことが指摘されており、正確な線量計測手法の整備が必要とされている。本研究では、積算型および直読式の個人中性子線量計の高エネルギー領域への対応を目的とした。 積算型価人中性子線量計用の素子としては、最も感度が高い飛跡検出羅であるPADCプラスチック(商品名CR-39)が用いられている。しかしながら、ポリエチレンラジエータと組み合わせてエッチピット数を計数する既存の線量計の相対感度は、高エネルギー領域で急激に減少する。この対策として、エッチピット径の分布を測定し、ある程度大きいピット数に加重係数を乗じる方法を提案した。また、二層構造ラジエータおよびラジエータ・減速材の組合せによるエネルギー依存性の改良手法の有効性を確認した。 一方、直読式線量計については、小型経量、γ線影響が無視できること、動作が安定していること、理論的解析が容易であることなどの条件から、全空乏層型シリコン半導体検出器を選択した。日本原子力研究開発機構の標準放射線施設において中性子実験を行うとともに、得られたパルス波高分布を解釈するために理論計算モデルを確立し、実験値と計算値との良い一致を確認した。しかし、シリコン半導体素子とポリエチレンラジエータとの組合せの線量計感度は、やはり大きな中性子エネルギー依存性を持っていることが分かった。そこで、適切な波高で弁別して得られる2つのレスポンスの線形和として求める手法を適用した。理論計算によって、ラジエータ厚さ、空乏層厚さ、弁別レベル、加重係数など多くのパラメータの最適化を試みた。その結果、約50%内での平坦なレスポンスが得られることを示した。
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Research Products
(15 results)