2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ケイ素半導体を基盤とする放射線検出器開発のための誘起電荷評価
Project/Area Number |
18360458
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大島 武 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50354949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 久義 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究主席 (40354930)
神谷 富裕 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究主幹 (70370385)
佐藤 隆博 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究職 (10370404)
小野田 忍 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究職 (30414569)
中野 逸夫 岡山大学, 自然科学研究所, 教授 (90133024)
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Keywords | 炭化ケイ素(SiC) / n^+pダイオード / イオン誘起過渡電流(TIBIC) / 電荷収集効率(CCE) / 少数キャリア拡散長 |
Research Abstract |
P型六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)エピタキシャル基板上にリンイオンの高温(800℃)注入及び1650℃熱処理(Ar中、5分間)を行いn^+型領域を形成することでn^+p接合ダイオードを作製した。作製したダイオードに6〜18MeVのエネルギーの酸素(O)、シリコン(Si)、ニッケル(Ni)、金(Au)イオンを入射し、単一イオン入射によるイオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)測定を行い、得られたTIBICシグナルを積分することで電荷収集効率(CCE)を求めた。1.昨年見出したAuやNi入射でのCCEの低下に関して、イオン入射により誘起される高濃度プラズマ(電子-正孔対)内でのAuger再結合を考慮することで解釈できることを明らかにした。2.作製したn^+pダイオードにガンマ線または1MeV電子線を照射することで損傷を導入し、Oイオン入射を用いたTIBIC測定を行うことでCCEに及ぼす損傷の影響を調べた。その結果、1MeV電子線5x10^<15>/cm^2後にはCCEが83%に低下(初期93%)することが判明した。また、CCEのダイオード印加電圧依存性を解析することで拡散長を求めたところ、1MeV電子線照射量の増加に従い減少していくことが明かとなった。さらに、損傷を非オン化エネルギー損失(NIEL)で解析したところ、拡散長の低下がNIELでスケーリングできることが見出された。3.厚膜エピタキシャル付SiC上にn^+p接合ダイオードを作製し、Amからのアルファ線、Sr(Y)からのベータ線の検出を試みたところ、アルファ線に関してはほぼ全量の検出に成功した。また、ベータ線にも反応を示し電荷収集が観測されることが見出された。
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