2008 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ケイ素半導体を基板とする放射線検出器開発のための誘起電荷評価
Project/Area Number |
18360458
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大島 武 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50354949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野田 忍 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (30414569)
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Keywords | 炭化ケイ素(SiC) / p^+n及びn^+pダイオード / 電荷収集効率 / 照射損傷 / 非イオン化エネルギー損失 |
Research Abstract |
pまたはn型六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)エピタキシャル基板上に800℃でのリンまたはアルミ高温イオン注入及びAr中熱処理(1650または1800℃)を行いn^+またはp^+型領域を形成することでn^+pまたはp^+n接合ダイオードを作製した。作製したダイオードに〜454MeVのエネルギーのO、Si、Ni、Au、N、Ne、Ar、Kr、Xeイオンを入射し、電荷収集効率(CCE)を評価することで以下の結果を得た。 1.n^+p及びp^+nダイオードでCCEに関する有意差は見られず、両者とも検出器へ応用可能であることが判明した。 2.昨年見出した、MeV級のNiやAuイオン入射により誘起される高濃度プラズマ(電子-正孔対)内でのAuger再結合によるCCE低下について、数百MeV級のKrやXeイオン入射でも発生することを明らかにした。 3.作製したSiCダイオードにガンマ線、1MeV電子線または65MeV陽子線を照射することで損傷を導入し、Oイオン入射を用いたTIBIC測定を行うことでCCEに及ぼす損傷の影響を調べたところ、CCEの損傷係数が損傷の指標である非オン化エネルギー損失(NIEL)でスケーリングできることを見出した。さらに、基板のキャリア濃度減少もNIELを導入することで統一的に表されることが判明した。 4.エピタキシャル膜96μm厚SiC基板上に1mmφ電極のダイオードを作製したところ、Amからのアルファ線の検出には成功したが、ベータ線及びX線に関しては検出できなかった。検出には、更にエピ膜が厚く、径の大きなダイオードを作製する必要があると結論できた。
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