2007 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光励起レーザーによるコヒーレント光発生とその高温生成に関する研究
Project/Area Number |
18360463
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Research Institution | Institute for Laser Technology |
Principal Investigator |
今崎 一夫 Institute for Laser Technology, レーザーエネルギー研究チーム, 主席研究員 (40115994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 拓 財団法人レーザー技術総合研究所, レーザーエネルギー研究チーム, 研究員 (70333292)
李 大治 財団法人レーザー技術総合研究所, レーザーエネルギー研究チーム, 研究員 (00373209)
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Keywords | 太陽光エネルギー / レーザー / 高温生成 |
Research Abstract |
模擬太陽光を励起に用いたレーザーを作成しその特性を調べた。太陽光からのレーザーエネルギーへの変換効率は40%に上る。これはクロム(Cr)とネオジム(Nd)の供ドープによる効果である。すなわち可視域でのCrの吸収エネルギーをNdに量子遷移し、この発振に吸収エネルギーを集中させたことによる。模擬太陽光での研究である以上、効率は確定できないが、極めて高い効率を得ている。 NdとCrの間のエネルギー遷移は、電気-電気双局子の非輻射遷移により行われ、この両イオンのレート方程式を解くことにより、この実験による効率についての解析を行った。この理論モデルを確立し、この効率についての検討を行った。この結果、Crの吸収エネルギーの70%がNdの発振スペクトルに量子遷移していることが分かった。これらは論文化され、投稿中である。特に、今までの結晶やガラス媒質に比べて遷移確率が高いのは、透明度が高いまま高濃度ドープができるためであり、セラミックの特長となる。 この太陽光励起レーザーを用いて高温発生を行うための高温チャンバー等を準備中である。到達温度特性について、予備的に計算を行った。これによると、今年度設計-試作予定のグラファイト空洞は1,200℃程度の上昇が可能であることが判明した。また、この温度領域が計測できる放射温度計を準備し、実験を進めた。 これに基づき、最終年度はセラミックターゲット空洞の温度上昇実験を行い、熱化学的作用の可能性を試行し、本研究を完成させる。
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