2008 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の社会進化における性および単為生殖と利己性の相互作用
Project/Area Number |
18370012
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
辻 瑞樹 University of the Ryukyus, 農学部, 教授 (20222135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 英祐 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40301874)
伊藤 文紀 香川大学, 農学部, 教授 (50260683)
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Keywords | 昆虫 / 進化 / 生態学 / 性 / 行動学 |
Research Abstract |
雌を単為生殖で子孫を産む能力と昆虫の社会行動の進化的相互作用を解明するのが本研究の目的である。最終年度の本年は成果の公表にとくに力を入れた。一番の成果は、ヤマトシロアリが補充女王生産時のみに条件依存的に単為生殖をするのを発見したことである。産雌性単為生殖や近親交配は子孫の血縁度を高め血縁淘汰による利他行動の進化を促すが、コロニーの遺伝的多様性を減少等により環境変化に対応できないという欠点がある。この条件依存的に単為生殖はこれらトレードオフを一度に解決する驚くべき戦略で、結果はScience誌に掲載された。条件依存単為生殖戦略は、やはり昨年度までに我々が発見したウメマツアリや、発見がNature誌に発表されたコカミアリ(これらでは女王による次世代女王のクローン生産と同時に,オスによるオスのクローン生産が起こっている)などでも見られ、アリ・ハチに共通する戦略であることが明らかになった。昨年度までに完全単為生殖種アミメアリの単眼大型個体が種内の社会寄生的系統ある事実をDNAマーカーにより厳密に検証したが、この成果を本年度Proceedings of the Royal Society of London Series B誌に発表した。 その他、昨年度に引き続き産雌性単為生殖するアリの様々な行動生態や内部形態を比較研究し公表準備中の成果が沢山得られた。たとえば、産雌性単為生殖アリとその近縁種の受精嚢の構造を光学顕微鏡およびTEMを用いて観察したが、前者は典型的な女王の受精嚢と同様の構造をしめし、雄と交尾しなくなっても受精嚢の縮小や退化は生じていないことが明らかとなった.
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Queen succession through asexual reproduction in termites.2009
Author(s)
Matsuura, K., Vargo, E. L., Kawatsu. K., Lsbadie, P. E., Nakano, II., Yashiro, T., Tsuji, K.
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Journal Title
Science 323
Pages: 1687-1687
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cheater genotypes in the parthenogenetic ant Pristomyrmex punctatus.2009
Author(s)
Dobata, S., Sasaki, T., Mori, H., Haseeawa, E., Shimada, M., Tsuji, K.
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Journal Title
Proceedings of the Royal Society of London, Series B 276
Pages: 567-574
Peer Reviewed
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[Journal Article] Small queens and big headed workers in a monomorphic ponerine ant.2008
Author(s)
Kikuchi, T., Miuazaki, S., Ohnishi, S., Takahashi, J., Nakajima, Y., Tsuji, K.
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Journal Title
Naturwissenschaften 95
Pages: 963-968
Peer Reviewed
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