2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18370014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
経塚 淳子 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90273838)
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Keywords | イネ / メリステム / 腋生分裂組織 / 分げつ |
Research Abstract |
分枝パターンは植物地上部の形態を決定づける大きな要因の1つである。イネの栄養生長期では分げつとして、生殖生長期では枝梗および穎花として分枝が形成される。イネlax panicle 1(lax1)は生殖生長期における分枝形成が抑制された変異体として単離され、原因遺伝子であるLAX1はイネの分枝形成に重要な役割を果たす。LAX1 mRNAは新しく形成される腋生分裂組織の向軸側境界部で層状に発現し、分裂組織そのものでは発現が観測されない。従ってLAX1シグナルが腋生分裂組織へ伝わると考えられるが、この細胞非自律的な現象の分子機構は不明であった。 今回我々はGFP::LAX1及び3xGFP::LAX1融合タンパク質を用いた解析からLAX1タンパクが境界部位から腋生分裂組織へと時期特異的に移動しており、その移動が腋生分裂組織の形成・維持に必要であることを明らかにした。また我々はlax1変異体では栄養生長期における腋芽形成にも欠失があることを見出した。そこで、in situハイブリダイゼーションにより腋芽形成過程におけるLAX1の役割を調査したところ、LAX1はP4ステージ特異的に機能することが判明した。P4ステージは腋生分裂組織の細胞数が確保される時期であり、従ってLAX1は腋生分裂組織細胞の分裂活性を正に制御することにより分枝形成に役割を果たすことが示唆された。
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