2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内構造の可視化と画像解析を用いた植物細胞の分裂・分化および環境応答の解析
Project/Area Number |
18370015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馳澤 盛一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40172902)
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Keywords | 微小管 / アクチン繊維 / 液胞 / GFP / タバコBY-2細胞 / シロイヌナズナ / 画像解析 / 細胞分化・形態形成 |
Research Abstract |
本研究室では、これまでに細胞内構造の観察系として、各構造の構成タンパク質とGFPの融合タンパク質を恒常的に発現するタバコBY-2細胞などの形質転換株を確立すると共に、連続光学切片から立体再構築を試み、これらの動態を解析してきた。本年度は、既に確立した細胞骨格などの可視化系に加えて、以下のような実験観察系を新たに確立して細胞内構造の解析を行った。 生細胞での細胞内構造の2重可視化系の確立:従来の細胞骨格、液胞膜などの可視化細胞に加えて、細胞内構造間の相互作用の解析を行うべく、微小管、アクチン繊維、液胞、小胞体、細胞核・染色体などを2重に可視化した細胞株の確立を行った。微小管と細胞核・染色体の2重可視化細胞を用いて細胞分裂中期〜後期の解析を行ったところ、高等植物細胞では不明確であった「後期B」の過程の存在が明らかになった。 液胞の成長と分化の解析:BY2細胞のミニプロトプラストは、培地の植物ホルモン組成により、細胞伸長のみを誘導することができる。この液胞の再形成・発達過程において、細いチューブ状の液胞が連結した網状液胞を経て巨大液胞への分化・再生過程を経時的に観察することができた。これらの液胞構造の発達や維持には細胞骨格とともに液胞膜型アクアポリンの関与が考えられ、タバコBY-2液胞膜型アクアポリン遺伝子(NtγTIP)を同定し、これを恒常的に発現する形質転換BY-2細胞(BY-GG)を作成して、上記の過程における発現解析等を行った。
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