2007 Fiscal Year Annual Research Report
シュート重力屈性反応における刺激伝達の分子構構-オミクス研究からの展開
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18370019
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
森田 美代 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 准教授 (10314535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 昌生 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90179680)
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Keywords | シロイヌナズナ / 重力屈性 / 遺伝学 / 重力感受 / 変異体 |
Research Abstract |
本研究課題では、これまでに得た様々な変異体をツールとして、オミクス的アプローチ並びに我々が構築した重力感受細胞の生細胞イメージング系を駆使し、重力感受に引き続いて起こるシグナル変換・細胞間シグナル伝達の分子機構の解明を目的としている。今年度は次のような研究を行った。 1)sgr9変異体は弱い重力屈性を示す変異体で、その原因遺伝子はRING finger domainを有するタンパク質である。SGR9蛋白質は相同性及び代謝回転の早さから、タンパク分解に関わるE3リガーゼである可能性が考えられた。保存されたアミノ酸に変異を入れたところ、SGR9蛋白質は検出可能となり、また変異蛋白質は重力屈性に関して優勢阻害効果を示すことが明らかになった。 3)重力感受細胞(内皮細胞)が正常に形成出来ない3つの突然変異体を用い、マイクロアレイにて野生型植物よりも発現量の低下している遺伝子を探索した。3つの変異体に共通して発現量の低い遺伝子が約50個見つかり、SGR5がこの中に含まれていたことから、この探索方法で新奇の重力屈性関連遺伝子が抽出出来ている可能性が示唆された。これら候補遺伝子の一部についてT-DNA挿入変異体の表現型を確認したところ、少なくとも1系統について重力屈性異常を示した。この遺伝子は機能未知とアノテーションされていることから、新奇重力屈性関連遺伝子であると考えられる。
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