2008 Fiscal Year Annual Research Report
シュート重力屈性反応における刺激伝達の分子機構ーオミクス研究からの展開
Project/Area Number |
18370019
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
森田 美代 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 准教授 (10314535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 昌生 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90179680)
|
Keywords | シロイヌナズナ / 重力屈性 / 遺伝学 / 重力感受 / 変異体 |
Research Abstract |
本研究課題では、これまでに得た様々な変異体をツールとして、オミクス的アプローチ並びに我々が構築した重力感受細胞の生細胞イメージング系を駆使し、重力感受に引き続いて起こるシグナル変換・細胞間シグナル伝達の分子機構の解明を目的としている。今年度は次のような研究を行った。 重力感受細胞(内皮細胞)が正常に形成出来ない3つの突然変異体に、共通して発現量が低下した遺伝子(Down-regulated Genes in Eall;DGE)約30個について、入手可能なT-DNA挿入変異体の表現型解析を行った。DGE1のT-DNA挿入変異体において、花茎重力屈性に弱いながら異常が認められた。DGE1は、イネにおいて地上部の重力屈性への関与が示唆されているLAZY1と低いながら相同性を示す。花茎における発現組織は内皮細胞を含んでいた。従って,期待通り重力受容細胞内で発現し、重力屈性に関与する新奇遺伝子を単離できた。DGE遺伝子中で、最もeal1における発現量の減少率が大きかったDGE2/AtADF9は、actin depolymerization factor(ADF)/cofilinファミリーに属するタンパク質をコードする。これまでの研究からアミロプラスト動態制御にはアミロプラスト周辺のアクチンが関与することを見いだしており、DGE2/AtADF9の重力受容への関与が推察された。DGE/AtPRA1,F1のT-DNA挿入変異体は、単独では目立った表現型が認められなかった。しかし、sgr5との二重変異体の重力屈性能は5gr5単独変異体よりも明らかに弱いことが分かった。この事実は、DGE3/AtPRA1,F1も新奇重力屈性関連遺伝子である可能性を示唆している。
|
Research Products
(6 results)