2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18370020
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 隆 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)
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Keywords | アラビドプシス / 微小管 / シグナル伝達 / リン酸化 |
Research Abstract |
<MAPKリン酸化経路> PHS1の脱リン酸化活性に必須のアミノ酸残基を変化させて植物体で発現させると、ドミナント・ネガティブ的に表層微小管を強力に脱重合させることを見出した。この効果はPHS1に特異的であり、アラビドプシスの他の4種のMAPKフォスファターゼの変異型を同様に発現させても、微小管に影響はなかった。また、PHS1は積極的な機構で細胞質に保持されており、この細胞質保持には脱リン酸化活性ドメインを含むC末端部分が必要充分であった。恐らく、PHS1は細胞質で微小管関連因子を脱リン酸化しているものと考えられる。 一方、PHS1の下流リン酸化因子の検索の過程で、βチューブリンのセリン172がリン酸化されること、CDKがin vitroでこのリン酸化を触媒すること、アラビドプシスのTON2 PP2Aフォスファターゼ変異株ではこの部位をリン酸化されたβチューブリンが顕著に増大していることを見出した。 <Rop GTPase経路> アラビドプシスRopGEF-YFPを恒常的に発現する形質転換アラビドプシス系統を逐次作製中である。その中で、RopGEF9を発現させた表皮細胞はネック領域の微小管形成が阻害され、ジグゾーパズル様の細胞が丸みを帯びた細胞形態に変化した。また、根毛分岐が異常であった。これらの表現形はRopGEF9が下流のRopを活性化し、微小管構築に影響を与えていることを示唆している。
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