2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18370030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河村 悟 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (80138122)
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Keywords | 桿体 / 錐体 / 光感度 / 網膜 / 視覚 / cGMP / ホスホジエステラーゼ / トランスデューシン |
Research Abstract |
我々の網膜には、暗所で働く桿体と、明所で働く錐体の2種類がある。桿体は光感度が高く薄暗いところで働くが、時間分解能は悪く、時々刻々の光の変化に追随することができない。一方錐体は光感度が低く明るいところで働き、時間分解能がよく、素早く動く物体を検出するのに適している。本研究では、光感度の違い、また、時間分解能の違いの2つに焦点を当て、桿体と錐体での光応答発生の分子メカニズムの違いを明らかにすることを目的とする。 平成19年度は以下について検討した。 (1)錐体でホスホジエステラーゼ(PDE)の活性化効率が低い理由の検討 錐体ではトランスデューシン(Tr)に理由があってPDEの活性化効率が低いと考えている。それを証明するため、錐体Trによる、桿体PDEと錐体PDEの活性化を測定することを予定した。そのため、錐体Trの精製を試みたが大量の試料を必要とすることから困難を極めている。そこで、錐体膜に内在している錐体Trによって、外から加えた桿体PDEを活性化することで錐体Tr側に理由があることを示そうと考え、現在、桿体PDEの大量精製、導入方法の検討を行っているところである。 (3)桿体と錐体とでのCa濃度依存的なcGMP合成活性の違いの検討 前年度、cGMP合成活性は桿体より錐体の方が遙かに高いことを明らかにした。本年度の実験結果により、それは、cGMP合成酵素1分子あたりの活性が錐体の方で高いのではなく、合成酵素の発現量が錐体の方で高いことによることがわかった。また、cGMP合成酵素の活性調節に関わるGCAPと呼ばれる一群の蛋白質の桿体と錐体で発現しているサブタイプの同定と発現量を明らかにし、cGMP合成活性の桿体と錐体とでの定量的な理解を目指している。
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Research Products
(14 results)