2008 Fiscal Year Annual Research Report
連鎖地図ベースでのハイマツ・キタゴヨウ交雑帯の解析
Project/Area Number |
18370033
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
綿野 泰行 Chiba University, 大学院・理学研究科, 教授 (70192820)
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Keywords | 連鎖地図 / EST / AFLP / ハイマツ / キタゴヨウ / 浸透性交雑 / グラフィカル・ジェノタイプ |
Research Abstract |
本研究では、連鎖地図ベースで、ハイマツとキタゴヨウの交雑帯における遺伝子浸透のパターンを解析することを目的とする。研究のベースとなる連鎖地図は、ハイマツとキタゴヨウのF1雑種と推定される個体から採集した種子を利用して作成した。裸子植物の種子の胚乳は雌性配偶体であるため、1個体から得られた種子における対立遺伝子の1:1での分離を利用して、連鎖地図の作成が可能となる。 連鎖地図作成のための分子マーカーとしてEST、SSRおよびAFLPマーカーを用意した。ESTマーカーは、64個の作成に成功した。そのうち27個は、テーダマツの連鎖地図における位置がわかっており、両者の連鎖群の対応付けに利用できる。AFLPマーカーはRemingtonetal.(1999)によって用いられた(E+3/M+4)の選択プライマー21組を用いた。バンドの有無の再現性を確かめるため、ハーフスケールで再実験を行い、完全に再現性が確かめられたバンドのみを連鎖地図作成に用いた。JoinMap4を用いてLOD6.6で連鎖地図を作成した結果、14個の連鎖群に61個のEST、2個のSSRマーカーを含む合計541個のマーカーを配置することができた。地図の推定長は1489cM、ゲノムの推定の長さは3244cMとなった。さらに、純粋なハイマツとキタゴヨウの種子胚乳をサンプルとして、同様にAFLP法とPCR-SSCP法でタイピングを行うことで、連鎖地図上にマッピングされたマーカーがハイマツとキタゴヨウのどちら由来かを調べた。母種に特異的な対立遺伝子を識別し、グラフィカル・ジェノタイプを行うことで、連鎖地図を由来に応じて色分けして可視化することに成功した。この手法を交雑帯における遺伝子浸透パターンの解析に応用する予定である。
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Research Products
(3 results)