Research Abstract |
生物の多細胞化とそれに伴う体制の複雑化には,単に細胞分裂後に細胞が分離しないことだけでなく,細胞間に形態や機能分化がおき,さらに全体として1つの生物として成立するような細胞間のコミュニケーションの確立が必要考えられろ。特に組織や器官を新たに作るには,マスター遺伝子となる転写因子とその下流で働く遺伝子群のネットワークが新たに確立される必要がある。 本研究は,被子植物へと繋がる植物の系統での多様性進化において,どのような分子遺伝学的機構が与してたかを明らかにする研究構想の中で,多様性創生に関わるもっとも重要なステップの1つである多細胞化につい着目し,その分子遺伝学的基盤を明らかにすることが目的である。そのため,系統進化において多細胞化が達成される前段階の単細胞,生物であるミカヅキモと多細胞化したシャジクモにおいて,遺伝子の網羅的かつ系統的解析を行いこどのような制御機構や遺伝子ネットワークが多細胞化や初期の器官分化において重要なきをしたかかを明かにする。 本年度は,シヤジクモ,ヒメミカヅキモのゲノムの発現遺伝子網羅性を上げるため,平成19年度には両種の均一化cDNAラィブラリからEST野取得を行い,18年度分と合わせてシャジクモ5,000個,ミカヅキモ3,500個になった。この遺伝子配列の既知の遺伝配列に対し相同検索を行い,アノーテーションを付けた。 個々の遺伝子に関しては,シャジクモのKnox遺伝子の解析を18年度に引き続き行ったとともに,LRK遺伝子群についての両種を含む系統解析を行った。また,LRKヒメミカヅキモにおける発現解析を行った結果,その中1つは有性生殖誘導に伴い,有意な上昇が見られた。
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