2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞による基底膜識別機構とそれに共役した細胞内情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
18370044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関口 清俊 Osaka University, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (90304055)
二木 杉子 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (00403014)
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Keywords | 基底膜 / 細胞外マトリックス / ラミニン / インテグリン / テトラスパニン / ネフロネクチン |
Research Abstract |
インテグリンによる基底膜接着分子の識別機構に重点を置いて解析を進めた。基底膜に含まれているインテグリンリガンドは、ラミニンとRGD型接着分子に大別される。我々はラミニンのインテグリン結合活性に、α鎖だけでなく、β鎖とγ鎖も関与することを明らかにした。γ1鎖とγ2鎖には、C末端から3番目の位置にGlu残基が保存されている。我々はこのGlu残基を他のアミノ酸残基に置換するとラミニンのインテグリン結合活性がほぼ完全に消失することを見出した。このGlu残基はγ3鎖には存在しないが、γ3鎖を含むラミニンアイソフォーム(ラミニン-213)はインテグリン結合活性をほぼ完全に欠失していた。これらの結果は、このGlu残基がインテグリン結合部位に存在する活性酸性アミノ酸残基であることを強く示唆している。一方、β鎖についても、β2鎖を含むラミニンアイソフォームは、β1鎖を含むアイソフォームよりもインテグリン結合活性が2〜3倍強いことを見出した。β1鎖とβ2鎖の様々なスワップ変異体のインテグリン結合活性の解析から、β鎖のC末端側22アミノ酸残基がインテグリン結合活性の調節に関わることが判明した。これらの結果は、β鎖、γ鎖のC末端領域がα鎖のC末端領域と協同することにより、ラミニンのインテグリン結合部位を構築していることを示唆している。また、我々は基底膜の代表的なRGD型接着分子であるネフロネクチンに着目し、そのインテグリン結合特異性を解析した。その結果、8種類のRGD結合型インテグリンの中で、ネフロネクチンはα8β1に高い結合特異性を示すことを見出した。このα8β1結合活性は、RGD配列を含む分子中央部の領域でも確認され、糖鎖修飾の有無に依存しない。
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