2007 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫に関与するパターン認識タンパク質の立体構造解析
Project/Area Number |
18370045
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川畑 俊一郎 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (90183037)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柴 琢己 九州大学, 理学研究院, 准教授 (70403970)
|
Keywords | 自然免疫 / 非自己認識 / 生体防御 / 分子認識 / パターン |
Research Abstract |
カブトガニの自然免疫系で働くfactor Gは、真菌などの細胞壁に存在するβ-1,3-グルカンを認識し、体液凝固を引き起こす。factor Gはαサブユニットとβサブユニットの2つのサブユニットから構成されており、αサブユニットのCOOH末端側に存在する2つのXln-Z様ドメイン(Z1およびZ2)それぞれがβ-1,3-グルカンを認識する。本年度は、factorGのβ-1,3-グルカン認識に関する構造機能解明とその応用を目的として研究を推進した。1個のCysを含むZ2ドメインを大腸菌で発現させるとジスルフィド結合により2量体を形成するため、CysをAlaに置換することで、単量体のZ2ドメインの調製が可能になった。さらにZ2ドメインの2回(2R-Z2)、4回(4R-Z2)繰り返したリコンビナントも調製した。そこで、これらZ2改変体のβ-1,3-グルカンに対する親和性を、ラミナリオリゴ糖(β-1,3-結合の2、3、5糖)をBSAに結合したネオ糖タンパク質を用いて表面プラズモン共鳴センサーにより解析した。その結果、全てのZ2改変体は、3糖以上のオリゴ糖に結合し、Z2よりも2R-Z2、4R-Z2の方がより高い親和性を示した。また、ラミナリオリゴ糖を付加したネオ糖脂質でも親和性を調べた。一方では、Z2とEGFPとの融合タンパク質を調製して、グラム陰性菌、グラム陽性菌、真菌に対する結合活性を顕微鏡下で観察したところ、真菌のみが特異的に染色されることが判明し、真菌の検出プローブとしての有用性が示唆された。さらに、Z2は真菌に対して凝集活性を示したことから、Z2ドメイン中には複数のグルカン認識部位が存在することが示唆された。一方、カードランに対する親和性を利用して、Z2改変体との融合タンパク質を簡便かつ高純度に精製できる方法を確立した。これらの結果をもとに特許を出願した。
|
Research Products
(18 results)