2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規なpH温度ジャンプトリガーを利用したNdxファミリー酵素の4次元構造解析
Project/Area Number |
18370047
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
神谷 信夫 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (60152865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 郁子 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40271176)
中川 紀子 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50379278)
倉光 成紀 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60153368)
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Keywords | 4次元構造解析 / pHジャンプ / 温度ジャンプ / Ndxファミリー / 機能ゲノム |
Research Abstract |
平成19年度は平成18年度に行った研究の成果を基礎として,Ndx酵素ファミリーに属するADPリボースピロリン酸分解酵素(ADPRase)の反応過程の4次元構造解析を行い,以下の研究成果を得た. (1)ADPRase単独の結晶に、その基質であるADPリボース(ADPR)をソーキングすると、1.5Å分解能を越える良質な試料が得られることを確認した. (2)上記の結晶に亜鉛イオンをソーキングすると、反応キャビディ中のADPRの分解が開始されることを見いだし、異なる9種類の反応時間におけるX線結晶構造解析から、それぞれの構造に対するスナップショット構造を得た. (3)一連のスナップショット構造を連続して眺めることにより、まず、反応キャビティに導入された亜鉛イオンの働きでADPRのコンフォメーションが変化し、続いて、亜鉛イオンに配位したグルタミン酸82が、同じく配位した水から水素イオンを引き抜いて活性化し、最後に、活性化された水酸化物イオンがADPRのリン原子をインライン配置で攻撃してADPRを生成物に変化させるという、一連の反応過程を時間分割的にその場観察することに成功した. (4)得られた結果は、従来、基質類似体との複合体の3次元構造解析のみから推定されていたADPRaseの反応機構とは大きく異なっており、酵素の反応過程を明らかにするためには4次元構造解析によるその場観察が必須であることを証明することができた.
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Research Products
(4 results)