2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18370052
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 正男 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (70302239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 敏高 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (90323120)
海野 昌喜 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10359549)
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Keywords | 反応機構 / 結晶構造解析 / ヘムオキシゲナーゼ / ヘム代謝 / 酸素活性化 |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、3段階の酸素添加反応によってヘム(鉄-ポルフィリン錯体)を鉄イオン・一酸化炭素(CO)・ビリベルジンに分解する酵素である。HO反応は生理的に重要なだけでなく、その極めて特異な反応のメカニズムにも興味が持たれている。本研究では、ヘム分解の主な律速段階に当たるベルドヘム反応に焦点を絞り、X線結晶構造解析・各種分光測定による完全解明を目的とする。また、HO反応において我々が独自に発見した新規ヘム代謝産物の生成機序の確立をも目標とする。 アルキル過酸化物によるベルドヘム反応を検討し、開環生成物中にアルキル基が取り込まれることを明らかにした。この結果、Fe-OOH中間体がベルドヘム開環の重要な活性種であることが示された。Fe-OOH中間体の構造モデルとして、パーオキソ型ミオグロビン結晶の作成に成功し、その高分解能での構造解析に独自に開発した手法によって成功した。さらに、ベルドヘム-HO複合体の単結晶を作成することにも成功し、現在までに良好なX線回折データを得ている。結晶作成条件・回折実験条件の最適化により、高分解能での構造決定が可能と期待される。 新規ヘム代謝物については、その合成法を確立し、質量分析・NMRなどの測定によって構造を決定した。新規代謝物はビリベルジンと同等の抗酸化活性を有し、酸化ストレスに対する細胞防御に有効なことを示した。また、新規代謝物の生成メカニズムを解明し、通常のヘム分解反応とは大きく異なることを示した。特に酸素濃度依存性には大きな変化が見られ、HOの酸素センサーとしての生理機能に大きな影響を与えることが提案された。
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Research Products
(19 results)