2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18370055
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 謙 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 資源化学研究所特別研究員 (70271377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野地 博行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00343111)
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Keywords | 分子モーター / ATP / V-ATPase |
Research Abstract |
V-ATPaseは2002年に申請者らによって回転機構によって働くことが証明された回転分子モーターである。回転中の回転軸サブユニット間のずれ込みを1分子同時観察法で検証することにより、「メカニカルレギュレーション」の可能性を探るのが本研究の眼目である。1分子同時観察系により、回転中の軸サブユニット間のずれ込みをFRET効率の変化として蛍光1分子観察により検出するとともに、回転軸間の相互作用を変化させる変異導入により回転軸間のずれを議論する。1分子同時観察のための発現精製系の構築はほぼ終了した。同時観察するための試料には、V1の軸サブユニットであるFおよびVo側の軸サブユニットであるVo・dにそれぞれCy3とCy5が導入されている。ラベル化したV_oとV_1から再構成されたV-ATPaseが野生型と同様のATPase活性、ATP合成活性を持ち、カップリングしたintactなものであることを証明できた。この過程で、V1部分の再構成経路を明らかにすることができた。また、この修飾されたサンプルの回転も確認できた。データの収集には多くの回転分子の解析が必要である。一回の観察で1個程度であり、統計処理に足るデータ収集には問題があった。申請期間中に試料の調製法、回転プローブであるビーズの調製法、観察条件等の検討をさらに徹底的に行い、発見確率のさらなる改善に成功した。再構成したVoV1の性質を改善された観察系で調べ、回転触媒機構に関する基本的な性質を明らかにした。
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