2007 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性タンパク質としてのマンナン結合タンパク質の機能解析と糖鎖認識機構の解明
Project/Area Number |
18370057
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
川嵜 敏祐 Ritsumeikan University, COE推進機構, 教授 (50025706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 正道 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (40367991)
MA Bruce Yong 立命館大学, COE推進機構, 准教授 (00378788)
川嵜 伸子 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (70077676)
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Keywords | 動物レクチン / 生体防御 / 補体活性化 / ブタ / ホスホマンナン |
Research Abstract |
ブタ血清中のホスホマンナン結合タンパク質を新たに見出し、その遺伝子クローニングに成功した。マンナン結合タンパク質(MBP)はマンノース、フコース、N-アセチルグルコサミン残基を特異的に認識するレクチンであり、リガンド糖鎖をもつ病原微生物の排除に関与している。われわれは以前、チェコアカデミーのDlabac博士との共同研究により、異種移植におけるドナー動物として開発研究の中心となっているブタ新生血清中には、グラム陰性菌のラフ株に対するClq非依存性(補体古典経路を介さない)殺菌因子が含まれ、この作用がボスホマンナンにより阻害されることを見出している。本年度は、この因子の実体を明らかにする目的で、新生ブタ血清中のレクチンに着目し、その本体の実体解明を進めた。その結果、ブタ血清中にはボスホマンナンに特異性をもつ新規レクチン(ホスホマンナン結合レクチン、PMBL)が存在し、このレクチンがMBPと近縁であることを明らかにした。本レクチンは229アミノ酸からなる33kDaのサブユニットの多量体であり、MBPと同様に、PMBLはリガンド糖を認識した後、レクチン経路を介して補体系を活性化することが明らかとなった。PMBLのアミノ酸配列を他の動物のMBPと比較するとアカゲザルMBP-Aと80.0%、ウサギMBPと54.6%、ヒトMBPと69.9%の相同性を示した。新生ブタでは、母胎の特殊な胎盤構造により血清中の免疫グロブリンの量が極端に少ないことが知られており、これらの結果は、新生ブタから成熟ブタへと成長する過程でPMBLが先天性免疫において重要な役割を果たしていることを示唆するものである。
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Research Products
(20 results)