2008 Fiscal Year Annual Research Report
選択的スプライシングを受けたタンパク質の立体構造モデリングによる機能解析
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18370061
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
郷 通子 Ochanomizu University, アカデミック・プロダクション, 学長 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 敬 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (50252226)
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Keywords | タンパク質立体構造 / 選択的スプライシング / ホモロジーモデリング / 機能部位 / RNA / 蛋白質間相互作用 / リガンド結合部位 / モジュール |
Research Abstract |
(1)選択的スプライシングデータベースの更新:選択的スプライシングによって変化を受けるアミノ酸配列上の領域情報を収集したデータベースのデータ量を増加させた。その過程で選択的スプライシングとは異なる機構で、メッセンジャーRNAの改変によるタンパク質の構造と機能の変化が起こっていることがわかった。特に植物のミトコンドリアと葉緑体でこの改変が起こっている場合が多いが(平成20年度発表論文)、ほ乳類の核でも同様の現象が起こっていることがわかった。 (2)選択的スプライシング産物のホモロジーモデリング法の改良:平成19年度に構築した新規アラインメント手法を用いて、選択的スプライシングによってアミノ酸配列が部分的に欠落してしまうタンパク質において、精度よいアラインメントを構築し立体構造をモデリングすることができた(論文執筆中)。 (3)機能部位変化の検証:ホモロジーモデリングにより構築される立体構造をもとにして、選択的スプライシングがもたらすタンパク質の分子性機能への影響を一つのタンパク質で調べた。その結果、選択的スプライシング部分が大きなループになり、活性部位の付近に存在し、何らかの影響を与えることが推定できた。また選択的スプライシングデータベースの更新と同時に明らかになった、植物オルガネラにみられるRNAの改変では、それらの改変がタンパク質立体構造のコアまたは生体超分子の形成時の界面にあるアミノ酸残基をコードするコドン部分に、統計的に有意に局在していることが明らかになった。RNAの改変がもたらすアミノ酸残基の置換がタンパク質あるいはタンパク質複合体の安定性を著しく悪化させ、タンパク質の立体構造形成に負の影響をもたらし、立体構造の変化を通してタンパク質の機能に影響をもたらしていることが推定できた(平成20年度発表論文)。
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