2006 Fiscal Year Annual Research Report
免疫クライオ電顕による新鮮膜細胞骨格ナノ分子システムの解明
Project/Area Number |
18370062
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
臼倉 治郎 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 教授 (30143415)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
渡辺 崇 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 博士研究員 (10402562)
|
Keywords | 細胞膜 / 細胞骨格 / 裏打ち構造 / フリーズエッチング / クライオ電顕 / アクチン線維 / 微小管 / IQGAP1 |
Research Abstract |
細胞膜は外界と細胞形質を隔てる単なる限界膜ではなく、情報伝達、能動的イオン輸送を行う生命の最前線である。細胞膜の多様な機能はその細胞質側表面を覆う裏打ち構造と密接な関係にある。我々はごく最近、新しい膜標本作製技術の開発により膜の裏打ちを採取し、目的とする蛋白質を免疫金コロイドで標識し、急速凍結後ヘリウム電顕で直接観察することに成功した。本研究はこのような新しい方法と免疫フリーズエッチング法を組み合わせながら、膜と細胞骨格の相互作用、とりわけ運動や膜の動的機能変化に対して微小管やアクチン線維などが如何に再構築されるかを一つ一つ分子を同定しながら形態学的に調べた。アクチン線維は膜に密着する成分と細胞質内にある所謂細胞骨格とに分類される。膜に密着する線維は細胞膜をいくつかのドメインにわけていた(J.Cell Biol.174851-862 2006)。さらに細胞運動に関与するアクチン結合蛋白質であるIQGAP1はこの密着するアクチン線維に優先的に結合することが明らかになった。従来、アクチン結合蛋白質などのように結合標的性のある蛋白質は全ての標的蛋白質と結合するものと考えられてきた。しかし、IQGAP1の場合このような局所性があることが判明した。如何にして局所性が生じるのかは大変興味があり今後の課題でもある。一方、吸着法を用いて細胞膜を採取することにより、今回初めて新鮮、細胞膜裏打ち構造を観察することにも成功した。全体的にはフリーズエッチングレプリカ法による観察結果を支持するものであったが、フリーズエッチングレプリカ法でしか観察できなかったことが別の方法で、しかも新鮮状態で観察可能になったことの意味は大きい。
|
Research Products
(4 results)