2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫クライオ電顕による新鮮膜細胞骨格ナノ分子システムの解明
Project/Area Number |
18370062
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
臼倉 治郎 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (30143415)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 崇 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (10402562)
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
|
Keywords | 生物物理 / 電子顕微鏡 / 蛋白質 / 膜細胞骨格 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
新世代免疫フリーズエッチング法とクライオ電顕により膜細胞骨格の空間構造を研究した。膜細胞骨格はいわゆる細胞骨格とは別に膜に付着した形で多くのアクチン線維と微小管及び中間径線維からなっていた。クライオ電顕によるいっさいの前処理をおこなわず観察した例ではアクチン線維も微小管もスムーズで流れるように走行していた。一方、微小管はかなりフレキシブルのようで曲線を描いて走行しており、従来の固定後の試料観察とはことなるそうこうであった。またアクチン線維はその走行により3種類に分けられる。第一のタイプは膜に埋まるように密着する線維。第二は跳躍的に所々で膜に接触しながら膜に平行に走行するタイプ。第三はいわゆるストレス線維で、線維端でインテグリンを介して膜に接着するタイプである。そしてこれらの線維は走行が異なるだけではなく結合するアクチン結合タンパク質へのaffinityも違うことが発見された。すなわち、葉状仮足の形成に重要な役割を果たすCdc42やそのエフェクターであるIQGAP1は主に第二のタイプのアクチンに結合し、その他のアクチン線維にはあまり結合しないことが分った。特に不思議なのは膜に埋まるように密着するアクチン線維にはほとんどの結合タンパク質が付着しないことである。このようにアクチン線維結合タンパク質でも全ての線維に結合するわけではなく、空間特異性が存在する。一方、膜に平行に走行する微小管も存在し、良く観察すると端点ではなく側面で細い線維により膜と連結しているように観察される。また、本研究により滑面小胞体の網目が膜直下に存在することも明らかになった。これは従来の細胞像を塗り替える画期的なものである。
|
Research Products
(4 results)