2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫クライオ電顕による新鮮膜細胞骨格ナノ分子システムの解明
Project/Area Number |
18370062
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
臼倉 治郎 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (30143415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
渡辺 崇 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (10402562)
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Keywords | 細胞膜 / 細胞骨格 / フリーズエッチング / アクチン線維 / クライオ電顕 / 微小管 |
Research Abstract |
本研究により免疫クライオ電顕や免疫フリーズエッチング法の基盤を築くことができ、膜の基本的な裏打ち構造が明らかになった(J. Cell Biol. 174 851-862 2006, Methods Cell Biol. 88 207-36 2008,生化学80 177-183 2008)。また,免疫標識法も進歩し、細胞骨格、膜の病的変化を捉えることも可能になった(Nature Cell Biol. 10 329-337 2008、 Nature Neurosci. 8 923-31 2008)。さらに極最近ではアクチン結合タンパク質の中には空間特異性が存在することが明らかとなった.特に本年度は微小管と膜との空間的な位置関係において新しい知見を得た。アクチン線維と微小管は明らかに粒子状のタンパク質を介して結合していることが判明した.また、微小管に走行に沿って、数本のアクチン線維が伸びていることも明らかとなった.これらのアクチン線維の機能はまだ不明であるが、おそらく微小管がガイドとなり、アクチン線維を必要な場所に導いていると思われる.あるいは、アクチン線維東形成に何らかの役割を果たしているのかもしれない.細胞膜細胞質側表面に置いて、アクチン線維はfocal contactとは明らかに異なる集積を所々で形成している.そこから放射状にアクチンが伸びているように見えるが、よく観察するとそこに開始点が有る訳ではなく、それぞれのアクチン線維は膜に接触するものの通過している.すなわち、各方面からのアクチン線維が一点を通過するかのように見える.このような集積は細胞内にも認められるので細胞内および膜面を空間的にドメイン化していると考えられる.このような集積点には常に微小管も存在するので、機能の理解にはアクチン線維と微小管の関係についての更なる研究が必要である.
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Research Products
(11 results)