2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージングによるリアルタイム分子間相互作用解析法の開発
Project/Area Number |
18370066
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 慶恵 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (10202269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 浩章 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点講師 (90415547)
|
Keywords | マイクロアレイ / 全反射顕微鏡 / 生体分子 / マイクロビーズ |
Research Abstract |
ゲノムプロジェクトが進展し、明らかにされた遺伝子の発現解析やその産物であるタンパク質の機能解析に焦点が当てられてきている。多くの場合、タンパク質は、他の生体分子との相互作用を通して機能を発揮する。したがって、それらの相互作用の解析はタンパク質機能に直結する重要な課題である。そこで我々は、高感度蛍光イメージング技術を利用し、少量の試料で「生体分子個々の結合・解離の速度などの動的な情報」を解析できる新しい分子間相互作用解析システムの開発を行っている。解析する生体分子を結合させたマイクロビーズをガラス基板上にアレイ化し、蛍光標識した試料との相互作用を、全反射照明を組み込んだ蛍光顕微鏡で観察することで、微量な試料で複数の生体分子間の結合・解離過程を同時に実時間解析できる系を開発した。この系を使って、抗原-抗体反応、タンパク質-DNA間や低分子化合物-タンパク質間の相互作用解析だけでなく、生物試料抽出液中の特定タンパク質の濃度を結合速度から定量化できることなどを確認した。さらにこの系にPDMS製のマイクロウェルを組み合わせ、1個の細胞中に存在するタンパク質の定量、1細胞内の酵素活性測定、さらに1個の細胞が分泌するタンパク質の検出なども行うことができるようになってきた。このような新技術は、FACS法では、できなかった分泌分子を指標にした1細胞解析・スクリーニング技術の開発だけではなく、1細胞レベルでの阻害剤研究やドラッグスクリーニング技術への応用が可能である。今後は、1細胞レベルでの分泌サイトカイン等の検出方法や多色蛍光色素を用いての多重解析技術について検討していく予定である。
|