2007 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン複製を制御するヒストンシャペロンネットワーク
Project/Area Number |
18370068
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大隅 圭太 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (20221822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 万里 東京工業大学, バイオフロンティアセンター, 助教 (40275350)
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Keywords | ゲノム / クロマチン / ヒストン / DNA複製 / ヌクレオソーム |
Research Abstract |
前年度の解析において、アフリカツメガエル卵では、DNA複製依存的なヌクレオソーム形成にCAF-1-Asf1だけでなくHIRA-Asf1も関与している可能性が示唆された。そこで本年度は、まず、ツメガエル卵抽出液に含まれるヒストンシャペロンAsf1、CAF-1、HIRAの相対濃度を調べて体細胞(培養細胞A6)のものと比較した。その結果、卵、培養細胞共に、Asf1の濃度はCAF-1、HIRAの50〜100倍程度と高いこと、さらに、卵においてはHIRAがCAF-1の約2倍の濃度で存在するのに対し、体細胞ではその比が逆転していることが判明し、卵におけるHIRAの重要性が示唆された。また、ツメガエル未受精卵の無細胞系はM期に停止した状態にあり、Ca^<2+>添加によってS期へと移行させることができるうえ、精子DNAを基質として分裂期の凝縮染色体、間期の核形成、染色体複製などのクロマチン現象を細胞内と同様に再現できることから、クロマチンのダイナミクス解析に幅広く用いられてきた。しかし、そのM期停止やCa^<2+>添加によるS期移行の分子機構には不明な点が残されていた。そこで、ツメガエル未受精卵の抽出液を用いて、そのM期停止機構の分子基盤を、蛋白質キナーゼMosと分裂後期促進複合体(APC/C)の抑制蛋白質Erp1の関連性に注目して調べた。その結果、未受精卵のM期停止が、紡錘体形成チェックポイント制御とは異なる、Mos-Erp1を中心とした制御システムによってもたらされること、その解除によって引き起こされるS期移行には、Ca^<2+>依存性のホスファターゼ、カルシニューリンの活性化が不可欠であることを見出した。
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Research Products
(4 results)