2006 Fiscal Year Annual Research Report
モデル微生物に学ぶストレス応答戦略と細胞長寿命化への展開
Project/Area Number |
18370070
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
饗場 浩文 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (60211687)
|
Keywords | ストレス応答 / 大腸菌 / 分裂酵母 / 微生物 / 2成分制御系 / 老化 |
Research Abstract |
1.「2成分制御系を中心としたストレス応答機構の包括的解析」について 大腸菌2成分制御系の網羅的欠失変異株の解析からレスポンスレギュレーターArcAが鞭毛合成に必要なことを見出した。ArcAは鞭毛合成のマスターレギュレーターF1hDCの発現には必要ないものの、鞭毛特異的σ因子(F1iA)の発現に重要であることを明らかにした。また鞭毛合成にはArcAのリン酸化が必要であるものの、ヒスチジンキナーゼArcBは必要ないことも明らかにした。 ChIP on Chip解析を用いて、大腸菌の嫌気-好気変化に応答した遺伝子発現に関わる転写因子Fnrならびに核様体タンパク質H-NSについてゲノムワイドにその結合様式を同定するとともにその意義について解析した。 2.「細胞長寿命化に向けた定常期ストレス応答機構の解析」について 分裂酵母の経時寿命は定常期生存率を測定することで評価できる。先に我々は1ong chain fatty acy1-CoA synthetaseをコードする1cf1遺伝子が定常期生存率の維持に必要なことを見出した。本年度は、1cf1のパラログ遺伝子(1cf2)について解析を行ない、以下の結果を得た。(A)1cf2は、ミリスチン酸に特異性をもつ1ong chain fatty acy1-CoA synthetaseをコードする。(B)1cf1と1cf2で分裂酵母の1ong chain fatty acy1-CoA synthetase活性の大半を占める。(C)1cf2変異株は、1cf1変異株とは反対に定常期生存率が上昇する。 以上の結果より長鎖脂肪酸の利用、代謝と経時寿命との関連が示唆された。
|