2009 Fiscal Year Annual Research Report
モデル微生物に学ぶストレス応答戦略と細胞長寿命化への展開
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18370070
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
饗場 浩文 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (60211687)
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Keywords | 分裂酵母 / 経時寿命 / 大腸菌 / 2成分制御系 / 微生物 / ストレス応答 |
Research Abstract |
1.細胞寿命に影響する因子を広範に検索することを目的として、分裂酵母を対象に経時寿命が延長する変異株をスクリーニングした。得られた変異株の内、L18ならびにL16変異株については、原因遺伝子を特定した。さらに細胞寿命延長機構を解明するため、生理学的解析を進行している。他方、高発現することで経時寿命を延長する新規遺伝子群のスクリーニングを行った。その内、特に経時寿命延長効果の高い5つのクローンについて原因遺伝子を特定し、その機能解析を進めている。 2.先に我々は分裂酵母の経時寿命を延長する新規タンパク質Ecl1を見出した。経時寿命延長におけるEcl1機能の普遍性を解析する目的で,Ecl1を出芽酵母で高発現したところ、出芽酵母の経時寿命が延長した。出芽酵母においてEcl1と相同因子を検索したところ、一部アミノ酸配列が類似した機能未知のYGR146Cを同定した。YGR146Cを出芽酵母で高発現すると経時寿命が延長することに加え、その欠失株は経時寿命が短縮することを見出した。これらの結果に基づき、YGR146Cが出芽酵母におけるEcl1の構造機能的ホモログであり、経時寿命の制御に関わる新規因子であると結論した。Ecl1様のタンパク質は他の酵母などにも見出されることからこれらを含めたEcl1ファミリータンパク質は、酵母における新規な経寿命制御因子であることが示唆された。 3.分裂酵母におけるスピンドルチェックポイントにおいて、カゼインキナーゼIIがMad2を制御してスピンドルチェックポイントに関与することを示した。 4.大腸菌ArcAのChIP-CHIP解析結果をもとに、ArcAによって制御される新規遺伝子の解析を進めている。
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