2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18370080
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原 英二 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (80263268)
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Keywords | 細胞老化 / 細胞老化 / p16 / pRB / p53 / ROS / PKCδ / 細胞質分裂 / 不死化 |
Research Abstract |
細胞老化の不可逆的増殖停止メカニズムの詳細を明らかにするために、ヒト正常2倍体線維芽細胞であるTIG-3細胞に温度感受性型のSimian Virus 40 large T抗原(LT)を発現させることにより不死化させた細胞株(SVts8細胞)を用いて実験を行った。この細胞はテロメラーゼの発現レベルが亢進しており、更に許容温度(34℃)ではLTがpRBとp53に結合しそれらの機能を阻害するために、永久に分裂増殖可能である(不死化している)。しかし、非許容温度(38.5℃)で培養すると、LTが失活性し、pRBとp53が復活するために急速に細胞老化様の増殖停止を起こす。この状態で5日間培養した後に、これらの細胞を再び許容温度に戻してpRBとp53を失活させると細胞のDNAの合成は再開するが細胞増殖は停止したままであった。しかし興味深いことに非許容温度で培養する際に低血清培地(0.2%の血清濃度)で培養した場合には、その後再び許容温度で培養することにより、細胞増殖が再開した。これらの結果より、細胞老化における不可的増殖停止の誘導にはpRBとp53の活性化だけでは不十分であり、更に血清刺激(増殖シグナル)が加わることが必須であることが示唆された。次に血清刺激が如何にしてpRB及びp53と協調して働くのかについて検討した結果、活性酸素種(ROS)が重要な役割を果たしていることを突き止めた。p16^<INK4a>-RB経路の活性化は増殖シグナルと協調してROSの産生を促進し、PKCδの不可逆的な活性化を引き起こす。PKCδの不可逆的な活性化は、WARTS(LATS1)などの細胞質分裂に必要な蛋白質の発現を低下させるために細胞質分裂の進行が不可逆的に阻害されることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)