2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18370080
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原 英二 The University of Tokushima, ゲノム機能研究センター, 教授 (80263268)
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Keywords | 細胞老化 / p16 / pRB / p53 / ROS / PKCδ / 細胞質分裂 / PI3キナーゼ |
Research Abstract |
細胞老化の不可逆性は異常細胞の増殖を永久に阻止するために必要であり、この不可逆性が癌抑制機構としての必須要因であると考えられる。しかし、細胞老化の分子機構や細胞老化の生体内における役割については不明な点が多い。本研究では、細胞老化における不可逆的増殖停止機構の詳細を明らかにすることを目的として以下の研究を行った。 1.細胞老化における不可逆的増殖停止の誘導に関与する因子及びシグナル経路の同定。昨年度の研究で明らかにした細胞老化で起こるROS-PKCδシグナルの不可逆的活性化のメカニズムを解明するために、老化細胞において様々なシグナル伝達経路の阻害剤と、RNAiによる遺伝子機能の抑制を行った。その結果、PI3-kinaseの下流因子であるAKTがROS-PKCδシグナルの不可逆的活性化に関与していることを様々な癌細胞株やヒト正常2倍体線維芽細胞も用いて明らかにした。 2.遺伝子改変マウスを用いた細胞老化のリアルタイムin vivoイメージング 細胞老化において発現の上昇が認められるCDKインヒビター遺伝子の発現をマウスの生体内でリアルタイムに観察するために、それら遺伝子の発現をルシフェラーゼ活性としてモニター出来るトランスジェニックマウスを作成した。これらのマウスを用いてCDKインヒビターの生体内での発現動態を調べた結果、CDKインヒビターの一つであるp21が皮膚発癌に対して細胞老化誘導することで癌抑制に効いていることと、加齢の過程で腎臓において発現が上昇することで細胞老化を誘導していることを明らかにした。本研究により、細胞老化誘導シグナルの生体内ダイナミクスの可視化が可能になった。
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Research Products
(3 results)