2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤの発生遺伝子から探る脊索動物の基本的な発生戦略
Project/Area Number |
18370088
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西駕 秀俊 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 教授 (60131918)
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Keywords | 脊索動物 / ホヤ / 発生遺伝子 / 機能 / 転写調節 |
Research Abstract |
1)ホヤにおける発生遺伝子の転写調節機構とその保存性の解析:我々は、ホヤのPitx遺伝子は、尾芽胚期に表皮において左側特異的に発現することを示してきた。今回カタユウレイボヤについて、この転写に必須の制御領域を同定した。その中にはFoxH1転写因子結合部位が見出された。そこでこの部位に変異を導入してレポーター活性を調べ、FoxH1転写因子結合部位が必須であることを見出した。 2)我々はホヤの尾芽胚期の中枢神経系において、Otx, Pax, Hox等の発生遺伝子が前後軸に沿って発現することを示してきた。Otxについては、これまで卵割期の発現について、カタユウレイボヤとマボヤで、重要な転写因子結合部位が保存されていることが両種での発現パタンの基盤となっていることを明らかにしてきた。今年度は、尾芽胚期中枢神経系でのOtxの発現を司る制御領域をカタユウレイボヤとマボヤでほぼ同定し、必須な転写因子結合部位の候補を絞り込んだ。 4)ホヤの発生における発生遺伝子の機能解析 我々は、カタユウレイボヤのHox遺伝子のクラスター構造が壊れていること、それにも関わらず中枢神経系および幼若体の消化管で前後軸に沿った発現を示すことを明らかにしてきた。初期発生過程で発現するメンバー遺伝子7個のすべてについてアンチセンスモルフォリノオリゴによる翻訳阻害により機能解析を試行した。この内Hox12については尾の先端の形成に機能を持つことを明らかにした。 5)尾の先端に関しては、その形成にFGFシグナリングが働いていることを示した。 6)カタユウレイボヤの神経管の領域マーカーとされる8遺伝子について、これまでの報告・解釈に不一致があった。今回、尾芽胚期の3発生段階について、細胞レベルの詳細な発現マップを作成し、これらの不一致を解消した。
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Research Products
(5 results)