2006 Fiscal Year Annual Research Report
X染色体上の哺乳類特異的レトロトランスポゾン由来の遺伝子Sirh7の機能解析
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18370090
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
石野 知子 (金児 知子) 東海大学, 健康科学部, 教授 (20221757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石野 史敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60159754)
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Keywords | ゲノムインプリンティング / インプリンティング遺伝子 / 片親性発現 / X」染色体 / レトロトランスポゾン / 哺乳類 / 胎盤 / 膵臓がん |
Research Abstract |
1、Sirh7ノックアウトマウスの作製 Sushi-ichiレトロトランスポゾンに由来し、哺乳類の内在性遺伝子として機能していると考えられる遺伝子群であるSirh(sushi-ichi retrotransposon homologues)familiyは11個ある。これまでに解析したPeg10(Sihr1)、Peg11(Sirh2)は父親性インプリンティング遺伝子であり常染色体に存在していたが、Sirh7はX染色体上に存在し胎盤ではX染色体不活性化を受ける。この遺伝子は、膵臓ガンで発現昂進が報告されているLdoc1遺伝子と同じものであるが、申請者と共同研究者のグループの解析からSirh7/Ldoc1がPeg10と同様、発生の非常に初期の胎盤で高発現していることが確かめられた。このため、この遺伝子が胎盤形成・胎盤機能に重要な役割を果たしている可能性が高いと考えられ、それを検証するためにノックアウトマウス作製を行っている。 Sirh7コードするタンパク質は、sushi-ichiレトロトランスポゾンのGagタンパク質にのみ相同性を示す。このタンパク質のコーディングフレームをPeg10、Peg11の時と同様にloxPで挟んだNeo遺伝子と置き換える。すでに相同組み換えを起こしたES細胞をスクリーニングでき、キメラマウスを作製している段階で、着実にKO遺伝子をもつマウスラインの樹立にむけて進んでいる。 2、Sirh7のin situ hybridization実験およびSirh7抗体の作製 Sirh7は発生初期の胎盤において高発現することがRT-PCR実験から確認されているが、実際にSirh7タンパク質の発現を確認するため、予想されるアミノ酸配列からSirh7のモノクローナル抗体の作製をラットを用いた新しい方法で行っている。また、in situ hybridizationのための条件検討も進め、正常個体発生におけるSirh7の発現の詳細を明らかにすると同時に、作製したSirh7ノックアウトマウスにおいて遺伝子発現の消失が起きていることを検証するための準備を行った。
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Research Products
(1 results)