2007 Fiscal Year Annual Research Report
非筋ミオシンとアクチン細胞骨格によるショウジョウバエ左右非対称性形成機構の研究
Project/Area Number |
18370091
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松野 健治 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 教授 (60318227)
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Keywords | 左右性 / 左右非対称性 / ミオシンI / アクチン / 細胞骨格 / 質量分析 / 消化管 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
外部形態が左右対称な動物においても、その内臓器官には、左右非対称性が観察されることが多い。これまでに得られた左右性に関する分子レベルの知見は、脊椎動物に限定されており、その他の多くの動物門には適用できない。我々は、ショウジョウバエの左右非対称性が、非定型ミオシンIとアクチン細胞骨格に依存して形成されることを明らかにした。しかし、これまでの研究では、これらが左右非対称性形成の過程でどのように機能するかについては、まったく理解されていない。そこで、本研究では、アクチン細胞骨格と非定型ミオシンに依存するショウジョウバエの左右非対称性形成機能を、分子レベルで明らかにすることを目的とする。 ショウジョウバエの左右非対称性は、二つの非筋ミオシンであるMyoICとMyoIDの機能に依存して形成される。MyoICとMyoIDの左右非対称性形成における機能を理解するためには、これらとともに機能する因子の同定が必要であると考えた。まず、MyoIDの全長タンパク質にTAP-タグを付加したキメラタンパク質(MyoID-TAP)を発現する胚から、TAP-タグを用いて、MyoIDと複合体を形成するタンパク質をアフィニィティー精製した。精製サンプルをSDSポリアクリルアミド電気泳動法で分離し、MyoIDと特異的な複合体を形成する数種のタンパク質について、MALDI-TOF MSを用いたPMF分析を行った。しかし、MyoIDの分解産物のみが回収されるにみで、目的の複合体が精製できていないことがわかった。このような分解による問題を解決するために、MyoIDの各種断片にTAP-タグを付加したキメラタンパク質のin vivoでの合成を行い、精製条件の検討を行っている。
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