2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ網膜における層構造形成のメカニズムの解明
Project/Area Number |
18370092
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
政井 一郎 Okinawa Institute of Science and Technology, 神経発生ユニット, 代表研究者 (50242087)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 網膜 / 細胞接着 / 細胞極性 / 細胞増殖 / 神経細胞分化 / N-cadherin / 突然変異体 |
Research Abstract |
脊椎動物の網膜には6種類の神経細胞が分化し、層構造を形成する。我々の研究から、ゼブラフィッシュの突然変異体parachute (pac)では、網膜神経細胞は分化するが層構造が形成できないこと、そしてpac遺伝子は接着分子であるN-cadherinをコードすることが明らかになった。本研究では、N-cadherinの網膜での役割を明確にするために、網膜細胞分化の各段階で特異的にN-cadheinの機能を阻害するゼブラフィッシュ胚を作製している。具体的には、網膜前駆細胞や神経細胞で発現誘導するエンハンサーを利用して、pac突然変異体にN-cadherinを時期特異的に発現させる。今年度は、網膜前駆細胞や神経細胞で発現誘導できるエンハンサーのもとでGal4VP16を発現するゼブラフィッシュトランスジェニック系統、UAS: N-cadherinを持つトランスジェニック系統を確立した。現在、これらのトランスジーンをpac変異体の背景に入れている。また、昨年度、pac変異体を含む、細胞接着と細胞極性に異常を示すゼブラフィッシュ突然変異体では、野生型と比較して、網膜において増殖細胞の割合が高くなっていることを見出した。今年度は、これらに関して、細胞周期の長さ、増殖と分化との関係、これらに関わるシグナル経路の点から、詳細な解析を行った。その結果、上記の変異体では、細胞周期の長さに差は見られずに、神経禰胞への分化が阻害されていることが明らかになった。
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