2007 Fiscal Year Annual Research Report
Operational RNA Codeとリボスイッチから見た遺伝暗号の起源
Project/Area Number |
18379001
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田村 浩二 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 准教授 (30271547)
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Keywords | 生命の起源 / 遺伝暗号 / 進化 |
Research Abstract |
本研究は遺伝暗号(アミノ酸とRNA)の対応関係がどのようにして成立してきたのかを明らかにすることを目的としている。「コドン表」に代表される普遍遺伝暗号に先立って成立したと考えられる Operational RNA Codeは、tRNAのアクセプターステムに存在する特異的な配列がアミノ酸の特異性を生み出したという概念である。これまで、現存するアラニルtRNA合成酵素(AlaRS)が、tRNA^<AIa>に存在するG-Uウォブル塩基対を特異的に認識することが知られているが、AlaとG-U塩基対の対応の進化的必然性に対する知見は皆無である。本年度、AlaとG-U塩基の直接の相互作用を示唆するデータを得、生命の起原および進化学会で報告した。Ala-AMPをミミックした「Ala-リン酸-オリゴヌクレオチド」を用いたモデル実験(Tamura, K. and Schimmel, P. Science, 305,1253(2004))の系において、Ala-リン酸-オリゴヌクレオチドと相補的な架橋オリゴの間に、G-U塩基対を導入すると、AlaはG-U塩基対が構成するポケットにトラップされる現象が観測された。現在、専門雑誌への投稿準備をしている。また、グリシンリボスイッチはGlyを認識した時、Glyを分解する酵素の遺伝子の発現を開始するものである。グリシンリボスイッチの機能形態は、進化の初期のtRNAと類似している考え、現在の生物に痕跡として残っている「実在する」RNAが、原始tRNAとして機能していたのではないかという仮説の実験的検証を試みている。GlyRSによるtRNA^<GIy>のアミノアシル化反応の中間体であるGly-AMPとグリシンリボスイッチを反応させることによって、このRNAが自己アミノアシル化を行うかどうか調べた結果、アミノアシル化の可能性を示唆する結果が得られた。
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