2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18380003
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高畑 義人 Iwate University, 農学部, 教授 (10133894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 剛 東北大学, 農学研究科, 教授 (30301039)
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Keywords | Brassica / 小胞子培養 / 胚発生 / 遺伝子単離 / DNAマーカー / 機能解析 |
Research Abstract |
アブラナ属(Brassica)作物は、小胞子から効率的に不定胚を誘導し植物体を形成できる。この現象は形成した植物が半数体や倍加半数体であるため育種手法として高い利用価値を持つと共に、発生・分化の基本的理解という面からも重要なモデル系となる。本研究は、この小胞子から不定胚への転換機構を理解するために、関連遺伝子の同定と機能解析を行うものである。 18年度に単離した小胞子由来の球状胚特異的に発現する110のESTsのうちAP2ドメインを有する転写因子と考えられる遺伝子について機能解析を継続した。35Sプロモータに本遺伝子を連結したコンストラクトをシロイヌナズナに導入したととろ、子葉先端部から胚様体が観察され、胚形成に関与している遺伝子であることを明らかにした 不定胚誘導小胞子を非誘導小胞子から効率的に仕分け収するため、胚発生の初期から特異的に発現するプロモータP22alにGFP遺伝子を連結したコンストラクトを導入した形質転換ナタネを用い、GFPの発現時期、系統間差異を調べ、安定的に小胞子胚発生の初期に発現する系統を選抜した。この系統を用い胚発生へ転換した細胞のみを収しdriverとし、単離直後の小胞子をtesterとしSSH法で特異的な遺伝子の単離を行った。得られた312のESTsを247のESTsに整理し、現在これら遺伝子について発現解析、機能解析を続けている。 B. rapaの144のSNPマーカーを含むDNAマーカー231個の連鎖地図をし、10の連鎖群1450cMのマップとなった。小胞子培養で胚形成能が高いハクサイDH系統と低いバクサイ自殖系統のF1を作成し、小胞子培養を行い、再分化した136個体のDNAマーカーの遺伝子型分析を行い、分離比を調査した結果、第5, 8, 9染色体で分離比が有意に偏っていることをした。この位置は、過去に分離比の偏りが報告されている位とは一致せず、両親組合せの差により異なることが示唆された。戻し交雑を進めており、染色体部分置換系統の作出により胚形成能に関わる遺伝子領域を今後絞り込む。
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Research Products
(4 results)