2008 Fiscal Year Annual Research Report
ソバ二花柱型自家不和合性の分子機構の解明とその進化学的解析
Project/Area Number |
18380006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安井 康夫 Kyoto University, 農学研究科, 助教 (70293917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正之 石川県立大学, 生物資源工学研究所, 准教授 (00320911)
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Keywords | 二花柱型自家不和合 / 他殖性 / 自殖ソバ / ポジショナルクローニング / アソシエーション解析 |
Research Abstract |
(1) ゲノミックウォーキング 約7000個体からなるマッピング集団をスクリーニングし、新たに2つのS遺伝子完全連鎖マーカー(Y3およびY5マーカー)を得ることができた。これらに既存のマーカー(M1)をくわえた3カ所からゲノミックウォーキングを行った。M1周辺には25クローンのBAC、Y3周辺には25クローンのBAC、Y5周辺には4クローンのBACからなるコンティグを作成することができた。 (2) アソシエーション解析 ゲノミックウォーキングに用いた短柱花に特異的な増幅がみられるPCRマーカーを利用してアソシエーション解析を行った。中国(10集団)、ヨーロッパ(7集団)、インド(7集団)、日本(6集団)、ネパール(6集団)、パキスタン(6集団)およびブータン(3集団)から短柱花および長柱花個体を1個体ずつ任意に選んでトータルDNAを抽出した(全90個体)。M1およびY5周辺のPCRマーカーを用いた場合、花柱性とPCRの増幅には有為な相関が見られなかった。しかしながらY3周辺のほぼ全てのPCRマーカーを用いた場合、多くの短柱花個体でPCR増幅が見られ、ほとんどの長柱花個体では増幅が見られなかった。このことからソバの二花柱型自家不和合性遺伝子はY3周辺のコンティグ上、もしくはその極近傍に座上することが分かった。 (3) 次世代シークエンサーによる塩基配列決定 Solexa Genome Analyzerを用いてY3周辺のBAC(15クローン)の塩基配列決定を行った。アセンブル後の塩基配列をBLAST検索したところ、3つの構造遺伝子の存在が示唆された。しかしこれらの遺伝子のORF中には終止コドンが見られたため、これらの遺伝子は偽遺伝子化していると考えられた。
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Research Products
(2 results)