2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18380008
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
寺田 理枝 基礎生物学研究所, 助教 (30137799)
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Keywords | イネ / 遺伝子ターゲティング / 相同組換え / Adh / Cre / loxP / アグロバクテリウム / T-DNA / 遺伝子スイッチ |
Research Abstract |
本課題では、強力なポジティブ・ネガティブ選抜によるイネターゲティング法の機能ゲノム学推進に向けた実用化を目指し、ターゲティング組換え機構の理解を進めつつ、ゲノム改変を効果的に行えるように以下の目的に3つの研究を進めた。1)アルコール脱水素酵素遺伝子(Alcohol dehydrogenase)Adh1、Adh2のターゲティングで得られたそれぞれ複数系統のゲノム改変イネの相同組換えの詳細を解析して俯瞰的に比較し、イネのT-DNA遺伝子導入に伴う相同組換え機構の理解を進める。2)Cre/loxPの部位特異的組換えを用いたターゲット遺伝子のON/OFFスイッチの確立を行う。3)イネの相同組換え能を強化したターゲティング法の改革。平成18年度はAdh2について、9系統の独立のゲノム改変個体の次世代分離植物のゲノム解析、相同組換えの領域の塩基配列、ポジティブ・ネガティブ選抜後に生き残ったカルスの中でどのようなベクター領域が組み込まれたか等の詳細なデーターを集めた。特に、アグロバクテリウムを用いたT-DNAによる形質転換で、両端に強力なネガティブマーカーをおいた場合の相同組換えに関する興味深い試験を得ることができたので、このことをまとめ論文投稿を達成できた。Cre/loxPの部位特異的組換えを用いた遺伝子スイッチの確立を目指して、まず、Maxyターゲティングの系でloxPをポジティブマーカーの両端に配したターゲット・イネを作出し、次いでT1世代のゲノム破壊ホモの種子由来のカルスに、Cre遺伝子を導入して一過的に発現させる実験を行い、loxPに挟まれた内部の配列を精密に削除したゲノム改変の部位特異的組換え体を得ることができた。この植物の塩基配列情報についても詳しく調べ、論文等への報告の準備を進めた。3)イネの相同組換え能を強化についてはイネのデータベース化が整ってきたため、イネでRAD54の該当モチーフを検索してゲノム改変を試みることに目的を変更した。
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Research Products
(2 results)