2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズとVigna属作物との比較ゲノム解析:種特異的QTLの利用
Project/Area Number |
18380009
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
加賀 秋人 National Institute of Agrobiological Sciences, ダイズゲノム研究チーム, 主任研究員 (30391551)
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Keywords | アズキ / ダイズ / ササゲ属 / 栽培化 / マメ科 / 連鎖地図 / QTL / シンテニー |
Research Abstract |
ダイズと極めて近縁なVigna属植物をダイズのマップベースドクローニングのツールおよび新規遺伝子供給源として利用するための第一歩としてVigna属植物間の比較連鎖地図の作成を目的に、これまでにアズキ(V.angularis)、ケツルアズキ(V.mungo)、ツルアズキ(V.umbellata)の連鎖地図を作成したが、本年度は4種目にあたるリョクトウ(V.radiata)の連鎖地図を構築した。リョクトウ栽培種(タイ産)とその祖先野生種(ミャンマー産)とのBC1F1集団を用いて、196種類のダイズEST-SSRマーカーを含む435個のSSRマーカーからなる全長727.1cMの連鎖地図を構築した。Vigna属4種で共通するSSRマーカーの分布より、ケツルアズキの第1連鎖群の末端付近は第10連鎖群に転座していること、一部の種は第1、第4および第8連鎖群のマーカー間で逆位があること以外は、4種間のマーカー順序は概ね一致しており、4種のゲノム構造は高度に保存されていることが明らかになった。リョクトウの栽培化関連形質QTLと、アズキ、ケツルアズキおよびツルアズキの栽培化関連形質QTLと比較したところ、種子サイズおよび開花期に関して種特異的なQTLが見つかった。また、約200種類のマーカーを用いたVigna属植物とダイズとのシンテニー解析では、ダイズの1染色体に相当するようなVigna属植物の染色体は存在しないこと、Vigna属植物の連鎖ブロックがダイズでは重複して存在すること、ダイズでは報告されていないVigna属の種特異的な開花期のQTLおよび種子サイズのQTLの存在が明らかとなった。
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