2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物の感染防御応答におけるNOと活性酸素種の協奏的作用機構の解明
Project/Area Number |
18380032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川北 一人 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (90186065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 博文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (30240245)
園田 雅俊 千葉大学, 自然科学研究科, 助教 (70376367)
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Keywords | 植物 / シグナル伝達 / 生体分子 / 活性酸素 / フリーラジカル |
Research Abstract |
植物の感染防御応答において、活性酸素分子種の動的抵抗反応の始動を統御する機構を理解するため、1)O_2^-生成活性を持つエリシター分子の単離とその関連化合物の作用機構の解明、ならびに2)NOの生成機構の解明を図った。 1)0_2^-生成エリシターの精製と関連化合物の抵抗反応誘導活性 ジャガイモ疫病菌菌体のメタノール抽出物を材料として、O_2^-生成の活性測定を指標にO_2^-生成エリシターの精製を試みた。精製した活性物質の1つはセラミドであると推定された。次に、セラミド関連化合物10種についてジャガイモ懸濁培養細胞に対するO_2^-生成活性を調べたところ、いずれの化合物も活性を示さなかった。一方、調べた化合物のうちN, N-dimethylsphingosine(DMS)はジャガイモ塊茎に対してファイトアレキシンの生成蓄積を誘導した。DMSはジャガイモ懸濁培養細胞、Nicotiana benthamiana葉、タバコ懸濁培養細胞BY-2に対して細胞死を誘導し、DMSは過敏感細胞死を誘導するエリシター物質であることが示唆された。 2)NO生成に関与する因子の単離とその機能解析 NO生成系として硝酸還元酵素(NR)が機能することに加え、NO合成酵素(NOS)が植物においても機能する可能性がある。今回、NOSの活性調節タンパク質をコードすると推定されるAtNOA1ホモログであるNbNOA1をN, benthamianaより単離した。ウイルスを介したジーンサイレンシングにより作製したNbNOA1サイレンシング葉において、INF1エリシターにより誘導されるNO生成ならびに防御関連遺伝子の発現が抑制され、INF1エリシターに応答したNO生成には、NRに加えてNOA1が関与することが示された。
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