2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物の感染防御応答におけるNOと活性酸素種の協奏的作用機構の解明
Project/Area Number |
18380032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川北 一人 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (90186065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 大吾 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (30456587)
園田 雅俊 千葉大学, 自然科学研究科, 助教 (70376367)
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Keywords | NO / 活性酸素種 / パーオキシナイトライト / 感染防御応答 / シグナル伝達 / ジャガイモ / ジャガイモ疫病菌 / ベンサミアナタバコ |
Research Abstract |
1) 植物の病害抵抗反応へのパーオキシナイトライトの関与 O_2^-はNOと協調して細胞死誘導のシグナル因子として働いている可能性が高く、O_2^-とNOとの反応物であるパーオキシナイトライト(ONOO^-)の存在と機能が推定される。ベンサミアナタバコ葉において、ジャガイモ疫病菌由来のエリシタータンパク質INF1処理によりONOO^-生成が誘導された。O_2^-生成酵素であるNbRbohB、NO生成に関与するNbNOA1およびNbNRをベンサミアナタバコ葉においてサイレンシングしたところ、INF1処理により誘導されるONOO^-生成が抑制され、植物体内で生成されるO_2^-とNOからONOO^-が生成されることが示唆された。また、ベンサミアナタバコ葉に対して病原性を示さないインゲン炭そ病菌を接種したところ、病原性を示すウリ類炭そ病菌接種の場合と比較して、より多くのONOO^-生成が認められた。またNbRbohBおよびNbNOA1をサイレンシングしたベンサミアナタバコ葉にウリ類炭そ病菌を接種したところ、病斑数が上昇し、ONOO^-発生剤を処理することにより病斑数が減少した。従って、ONOO^-は病原菌に対する植物の基礎抵抗性に関与する可能性が示された。 2) S-ニトロソ化タンパク質の特定 植物の抵抗反応誘導時に生成するNOの機能を明らかにするため、S-ニトロソ化により制御をうける標的タンパク質の特定を目的として、ジャガイモ葉抽出タンパク質にNO供与体GSNOを処理し、ビオチンスイッチ法を用いてS-ニトロソ化されるタンパク質の検出を行った。その結果、S-ニトロソ化タンパク質が認められ、ビオチン標識したS-ニトロソ化タンパク質をアビジンアガロースを用いて精製し、得られたタンパク質を質量分析計を用いた解析により同定した。
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