2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18380040
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岩見 雅史 Kanazawa University, 自然システム学系, 教授 (40193768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本 賢一 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 専任研究員 (90333335)
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Keywords | 遺伝子 / 昆虫 / 脳・神経 / 発生・分化 / マイクロアレイ / エクジソン / 前胸腺刺激ホルモン / 神経分泌細胞 |
Research Abstract |
昆虫変態時における脳の神経網の再編を伴う形態変化及び、変態制御の中枢としての機能を探るために、カイコガをモデルに幼虫脳で、網羅的に収集したエクジソンに応答する遺伝子の解析を引き続き進めたほか、変態期、特に蛹化期に発現量が増大する遺伝子にも注目し研究を行った。 1)マイクロアレイによる網羅的発現解析結果より、エクジソン投与により発現量が増大もしくは減少する各40遺伝子配列を同定した。in situ hybridizationにより脳内発現部位を特定したところ、多くの遺伝子が前胸腺刺激ホルモン産生細胞(PTTH細胞)で発現していた。 2)網羅的マイクロアレイを利用し(農業生物資源研究所三田和英博士との共同研究)、4齢、5齢、過剰脱皮する予定の5齢(F5齢と表記する)のそれぞれ0日幼虫の脳において遺伝子の発現比較を行い、4齢と5齢の比較により5齢で発現が高かった遺伝子、および5齢とF5齢の比較により5齢で発現が高かった遺伝子に注目した。どちらの比較でも5齢で発現が優位に高かった26遺伝子中、発現比率が2倍以上の8遺伝子に注目した。これら遺伝子が終齢で優位に発現し、蛹化関連遺伝子であるならば4齢、F5齢よりも5齢、6齢で発現が高いことが予想された。そこで各ステージの0日個体からRNA抽出し、RT-PCRにより発現を解析したところ、8遺伝子中3遺伝子が終齢において優位な発現動態を示した。来年度はこれら遺伝子についても、リアルタイムRT-PCRによる遺伝子の発現量の定量化と、RNAiによる機能解析を行い、蛹化に関わる脳作動遺伝子の特定を試み、変態機構の解明を目指す。
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Research Products
(12 results)