2006 Fiscal Year Annual Research Report
ムカシシロアリ細胞内共生細菌ブラタバクテリウムの全ゲノム機能解析
Project/Area Number |
18380045
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
渡辺 裕文 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域昆虫・微生物相互作用研究ユニット, 主任研究員 (10355745)
|
Keywords | GS20 / ゲノム / 細胞内共生細菌 / パルスフィールド電気泳動 / ショットガン解析 / Phi29 DNAポリメラーゼ / pUC118 / パーコール |
Research Abstract |
(1)オオゴキブリ脂肪体からのブラタバクテリウムゲノムの分離オオゴキブリより脂肪体を取り出し,等張液中で機械式ホモゲナイザーで摩砕後,ナイロンメッシュでろ過した。ろ過液を材料としてホスト細胞成分とブラタバクテリウム細胞のパーコール密度勾配遠心による分離条件を検討した。超遠心により形成したパーコールのオートグラジエント(連続密度勾配)上にサンプルを載せ分離を諮る方法と70%濃度のパーコール溶液の上に密度の低いパーコール溶液を重層する不連続法を比較したところ,後者の境界面にブラタバクテリウム細胞の集積を確認したが,前者ではブラタバクテリウム細胞は拡散し層を作ることはなかった。このため,不連続法を採用した。この方法で分離したブラタバクテリウム分画へのホストゲノムの混入をPCRにより調べたところかなりの混入が確認された。このため,この方法で分離したブラタバクテリウム細胞をアガロースで固定し,細胞壁破壊のための酵素処理と制限酵素処理をしたのちパルスフィールド電気泳動にかけた。結果,ブラタバクテリウムゲノムDNAを分離した。 (2)ブラタバクテリウムゲノムDNAからのゲノミックDNAライブラリーの作製 分離したブラタバクテリウムゲノムの量はライブラリーの構築には十分ではなかった。このため,Phi29DNAポリメラーゼを使ったゲノムDNAの無差別増幅法により数マイクログラムまでゲノムDNAを増幅し,タカラバイオにpUC118プラスミドを用いたライブラリーの作製とロッシュ社GS20型DNAシーケンサーを用いた非クローニング核酸配列解析を委託した。タカラバイオは,サンプルをエマルジョンPCRで再度増幅したのちその一部でpUC118ライブラリーを構築し,残りでGS20を用いた解析を行った。結果としてゲノムDNAの約90%を解読した。現在ギャップ部分を解読するためpUC118ライブラリーを用いたショットガン解析を行っている。
|