2008 Fiscal Year Annual Research Report
ムカシシロアリ細胞内共生細菌ブラタバクテリウムの全ゲノム機能解析
Project/Area Number |
18380045
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
渡辺 裕文 National Institute of Agrobiological Sciences, 昆虫・微生物間相互作用研究ユニット, 主任研究員 (10355745)
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Keywords | Blattabacterium cuenoti / ゴキブリ / シロアリ / ブラクバクテリウム / ゲノム / 分離 / パルスフィールド電気泳動法 / ムカシシロアリ |
Research Abstract |
ゴキブリ類全般およびシロアリ類現存最下等種であるムカシシロアリ(Mastotermes darwiniensis)が脂肪体細胞内に宿す共生細菌ブラタバクテリウム(Blattabacterium cuenoti)は貧栄養環境におけるゴキブリ類の尿酸リサイクルを担い,また,シロアリ類は,これを失いながら原生生物・重共生細菌・古細菌類との共生関係を発達させゴキブリ類より進化放散したと考えられている。シロアリ類進化の鍵を握るムカシシロアリのブラタバクテリウムゲノム解読を目標として以下の実験を行った。 ムカシシロアリは豪州クイーンズランド州および北部準州のみに生息し入手の機会が限られるため,シロアリ類と同様に食材性であるオオゴキブリ(Panesthia angustipennis spadica)を材料としてパーコール比重差遠心とパルスフィールド電気泳動法を用いた脂肪体からのブラタバクテリウム分離法を確立し,またゲノムサイズ(650kbp,GC含量32.1±7.6%)を確定した。得られたゲノムDNAをサンガー法およびロッシュ社454DNAシーケンサーを用いて解析し,520kbpに渡るドラフトコンティグの構築とアノテーションを行った。また,同じ方法を用いてムカシシロアリ脂肪体よりブラタバクテリウムゲノムが分離し,現在ゲノム解析を行っている。
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Research Products
(1 results)