2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネ科植物由来のアルミニウム耐性遺伝子の単離と機能解析
Project/Area Number |
18380052
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
馬 建鋒 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (80260389)
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Keywords | アルミニウム / 耐性遺伝子 / イネ / オオムギ / 根 / クエン酸分泌 / トランスポーター |
Research Abstract |
1.オオムギアルミニウム耐性遺伝子(HvAACT1)のクローニングと機能解析 アルミニウムによって活性化されるクエン酸の分泌に関与する遺伝子(AACT1)をクローニングするためにアルミニウム耐性品種「むらさきもち」と感受性品種「Morex」との交配から得たF_3ヘテロ個体由来のF_4集団600個体を用いて、新たなマーカーを設計し、ファインマッピングを行った。その結果、AACT1はオオムギ4番染色体上のマーカーHvP1とK06496の間にマップされた。またむらさきもちとMorexを用いてマイクロアレイを行った結果、この領域にむらさきもちが常に高発現している候補遺伝子を見つけた。この遺伝子を含むBACクローンを選抜して配列解析し、遺伝子の全長配列を取得したところ、ORFには「むらさきもち」と「Morex」間で2つのSNPが存在しており、そのうち1つではアミノ酸レベルでの相違を伴っていた。この遺伝子は主に根に発現していて、根の先端より基部のほうの発現量が多かった。また発現はアルミニウムによって誘導されなかった。アルミニウム耐性能が異なるオオムギ8品種においてこの候補遺伝子の発現量とアルミニウムにより誘導されるクエン酸の分泌量との間に強い正の相関(R=0.96)が得られた。またアフリカツメガエルの卵母細胞に候補遺伝子のcRNAとクエン酸を注入して、アルミニウムによる電流の変化を測定したところ、水を注入した細胞の約2倍の電流が認められたが、cRNAとリンゴ酸の注入では電流の変化が見られなかった。これらのことはこの候補遣伝子がアルミニウムによって活性化されるクエン酸の分泌に関与する遺伝子(AACT1)であることを示している。 2.イネアルミニウム耐性遺伝子(Als2)のファインマッピング カサラスとイネアルミニウム感受性突然変異体als2との交配から得たF_2種子を用いて、候補遣伝子のファインマッピングを行った結果、遺伝子の特定に成功した。この遺伝子は転写因子をコードしており、主に根において発現していた。
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Research Products
(1 results)