2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネ科植物由来のアルミニウム耐性遺伝子の単離と機能解析
Project/Area Number |
18380052
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
馬 建鋒 Okayama University, 資源生物科学研究所, 教授 (80260389)
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Keywords | アルミニウム毒性 / トランスポーター / イネ科植物 / クエン酸分泌 / 耐性 / 根 |
Research Abstract |
1.オオムギアルミニウム活性型クエン酸トランスポーターの更なる解析 オオムギはアルミニウムによって根からクエン酸を分泌して、アルミニウムを無毒化する機構を獲得している。我々は昨年度このアルミニウム活性型クエン酸トランスポーター(HvAACT1)をコードしている遺伝子は単離した。今年度はこの遺伝子の機能について更なる解析を行った。この遺伝子をタバコに過剰発現させると、アルミニウムによるクエン酸の分泌が増加し、アルミニウム耐性も強くなった。また抗体染色の結果、この遺伝子によってコードされているタンパク質は根の表皮細胞に局在していた。アルミニウム耐性の異なる10品種のHvAACT1のORFを比較したところ、SNPが4箇所存在することが明らかとなった。また3'-URTの配列を比較した結果、今のところクエン酸の分泌量と配列との関連性が認められなかった。 2.イネアルミニウム耐性遺伝子の機能解析 我々はこれまでにイネアルミニウム感受性突然変異体als1を利用して、原因遺伝子の単離を行った。Als1はABCトランスポーターのATP結合ドメインのみをコードしていた。今年度は膜結合ドメインをコードする遺伝子Als3を同定した。玉ねぎの表皮細胞にリポーター遺伝子との融合遺伝子を一過的に発現させて細胞内局在性を観察したところ、Als3は細胞膜に局在していたが、Als1は単独の場合、細胞内に顆粒状に存在していた。しかし、Als1とAls3をともに発現させた場合はAls1も細胞膜に移行した。Als1とAls3遺伝子はともに根で発現し、その発現量はアルミニウムによってすみやかに増加する。また抗体染色の結果、Als1とAls3とも根のすべての細胞に局在していた。これらの結果はAls1とAls3が細菌タイプのABCトランスポーターのように、別々に翻訳された後、複合体として機能していることを示唆している。
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Research Products
(5 results)